AteloSeriesCollagen for Cell Culture and RNAi Techonology

学会・展示会情報

【学術発表】<終了>日本核酸医薬学会 第6回年会(2021/6/27 オンライン)

2021年06月10日

下記の要項にて学術発表を行います。

発表日時 2021年6月27日(日)14:05~15:15
会場 オンライン開催
演題

アテロコラーゲンを用いたスフェロイド培養細胞内へのsiRNAの導入とその機能解析
(ポスター番号:1P-43)

著者

株式会社高研 研究所 名越 莉菜、藤本 一朗

要旨

我々はアテロコラーゲンをDDS担体とした核酸導入試薬を開発し販売しているが、動物実験系では効果を示すものの、平面培養細胞には効果を発揮しにくい性質があった。一方、スフェロイド培養細胞には一定の核酸導入効果を示す事を報告してきた。スフェロイドは平面の細胞に比べて組織に近いと言われており、我々もコラーゲンの分解酵素であるMMP1とMMP2の発現量がスフェロイドで上昇することを確認した。このMMP1/2の上昇により周辺に積層するsiRNA保持アテロコラーゲンの線維が分解され、細胞内へ取り込みやすい形になることで核酸導入活性の向上につながると考えられた。

今回、我々は、アテロコラーゲンのDDSメカニズム解析の中でsiRNAの取り込みとその後の細胞内挙動に与える影響に着目した。スフェロイドは平面の細胞に比べマクロピノサイトーシス活性が高く、siRNA/アテロコラーゲン複合体はそれを介して細胞内に取り込まれていた。取り込まれたsiRNAの細胞内挙動を鮮明に観察するために、コラゲナーゼ処理にて、細胞外に積層するsiRNA/アテロコラーゲン複合体の線維を除去した。その結果、siRNAがアテロコラーゲン依存的にエンドソームから脱出し、細胞内へ広がっている観察像が得られ、その様子をヒートマップ解析にて定量的に示した。

今後、スフェロイド培養系で得られたアテロコラーゲンの核酸導入効果の知見を、その他の3D培養系へ応用したり、in vivoでのDDSメカニズム解析へ展開したりすることで、in vivo の創薬研究に繋がるin vitro のアテロコラーゲンによる核酸導入技術として確立したい。