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3D Readyアテロコラーゲン

アテロコラーゲンとは?

コラーゲン分子の両端にはテロペプチドと呼ばれる三重らせん構造を持たない部分があり、この部分がコラーゲン分子間の結合やアレルギー等の原因となる抗原性に大きく関与していると言われています。このテロペプチドを酵素的に分解、除去したコラーゲンをアテロコラーゲンと呼び、精製度が非常に高く安定性に優れた特性を有します。また、当社ではアテロコラーゲン製医療機器を30年以上製造・販売しています。

コラーゲン分子の大きさは?

サイズはおおよそ長さ300nm、幅1.5nmで、分子量は約30万です。
コラーゲンは、3本の分子鎖から構成されており、三重らせん構造を形成しています。
構成する分子鎖は、約1000個のアミノ酸が結合したポリペプチドで、 [Gly-X-Y]を繰り返すコラーゲン特有のアミノ酸配列です。
Xの位置には、フェニルアラニン、ヒスチジン、プロリン、グルタミン酸、ロイシン、
Yの位置には、ヒドロキシプロリンやヒドロキシリジンが多く存在する特徴があります。

3D Readyアテロコラーゲンに含まれるコラーゲンのタイプ(型)は?

ウシ真皮を原料とするコラーゲンですので、約95%がI型コラーゲンです。その他にもIII型やV型コラーゲンが、合計約5%含まれています。

3D Readyアテロコラーゲンのグルコース濃度は?

 Low Glucoseは1,000 mg/L、High Glucoseは4,500 mg/Lのグルコースが含まれています。

3D Readyアテロコラーゲンの保管方法は?

 初回の解凍後、1カ月は冷蔵で保管できます。
長期保存の場合は初回解凍時に少量ずつ分注して冷凍にて保管してください。
ゲル形成能に影響するため、凍結融解はできるだけ避けるようにしてください。

3D Readyアテロコラーゲンを希釈して使用できるか?

氷冷下で血清を含まない培地(DMEMなど)を添加した後に、泡立てないようにゆっくりと混合することで希釈することができます。
ただし、希釈するほど粘性が下がり、ゲル形成にも時間を要するため、その間に細胞が沈降しやすくなりますのでご注意ください。
※旋回撹拌機(ローテーター)を用いて4 rpmで20分間など。

コラーゲンゲル作製の方法は?

取扱説明書のPDFファイルがこちらよりダウンロード可能です。

アテロコラーゲンを使用したオルガノイド培養の実績は?

マウス初代小腸オルガノイドとマウス初代乳腺オルガノイド、ヒト脳腫瘍幹細胞株からのオルガノイドの培養事例がございます。

アテロコラーゲンでゲル内培養している細胞は観察できるか?

 細胞がそれぞれゲルの中で異なる高さの位置に存在するため、すべての細胞に顕微鏡の焦点を合わることはできませんが、個々の細胞はその形態を観察することができます。
細胞を一定の高さで培養したい場合は、細胞を含まないコラーゲンゲルを先に形成し、その上に細胞を播種してから更にコラーゲンゲルを重層するサンドイッチ培養をご検討ください。

アテロコラーゲンゲルの強度は?

下記グラフに弊社で圧縮強度を測定した一例を示します。
培養用プラスチックシャーレやプレートは組織と比較して非常に高い強度を示し、
一方、アテロコラーゲンゲルは組織に近い値で、コラーゲン濃度を下げるほど低下します。
興味のある方は、コラーゲンゲルに関する動画もご覧ください。

                  イラストの出典: ©2016 DBCLS TogoTV / CC-BY-4.0

ゲル内培養後の切片作製は可能か?

組織試料などと同じように、ホルマリン等による固定後のパラフィン包埋や凍結包埋、切片作製の事例がございます。凍結切片作製については、取扱説明書をご参照ください。

コラーゲンゲルで培養した細胞のタンパク質発現をウエスタンブロットで分析するには?

基本的に、Lysis buffer等を用いてゲルごと細胞を溶解して得られた抽出液は、そのままウエスタンブロットに使用可能です。目的のタンパク質が検出できない場合には、コラゲナーゼを用いて事前にコラーゲンゲルを溶解してください。

※市販されている細胞分散用のコラゲナーゼ製品には多種のプロテアーゼが含まれていますので、使用するコラゲナーゼに目的のタンパク質を分解する酵素が含まれていないことを確認してください。

細胞移植などに適した高濃度コラーゲンはあるか?

当社の「コーケンアテロコラーゲンインプラント」は溶液状アテロコラーゲンの医療機器であり、1、2、3%の3種類がございます。また、安価な代替案として、研究用コラーゲンパウダーをご自身で溶解していただく方法もございます。

他社の可溶性基底膜調整品との違いは?

当社のコラーゲン溶液には、ロット間差の大きいと言われる可溶性基底膜調整品と異なり細胞由来の生理活性物質や核酸MMP等の夾雑物が含まれていないため、実験結果を明確に評価できます。

Q&Aページに掲載されている情報は、発表済みの論文や社内データ等に基づいて記載しています。