製品リストを表示

FibColl高透過性アテロコラーゲンインサート
FibColl® Atelocollagen Inserts 24

概要

FibColl®高透過性アテロコラーゲンインサート24well用は、アテロコラーゲンのみで出来ているメンブレンを採用した、新規のセルカルチャーインサートです。プラスチック製のメンブレンをコラーゲンコーティングした他社製品とは異なり、細孔が塞がれることもなく、アテロコラーゲンの線維構造を有しているため、生体内を模した環境での細胞培養が可能です。アテロコラーゲン線維間の微細孔構造は600kDaを超える分子も透過し、バリア機能評価や共培養に適しています。

用途

  • Culture on FibColl

    膜上培養

  • Air-liquid interface culture on FibColl

    気液界面培養

  • Co-culture with FibColl

    共培養

  • Cell-sheet-transplantation with FibColl

    細胞シート移植

特長

  • アテロコラーゲン製のメンブレンは、600kDaを超える分子の透過性を有しています。
  • 上皮細胞のタイトジャンクション形成による、バリア機能評価モデルを作製可能です。
  • 培地交換や培養後の膜回収の操作性について考慮した、使いやすさを追求したハング型のセルカルチャーインサートです。
  • メンブレンは生分解性があるため、細胞シートの移植にも使用できます。

コラーゲンの種類

ウシ皮由来アテロコラーゲン

  • FibColl®の線維構造(SEM像)

  • FibColl®で2日間培養した肺がん細胞(位相差顕微鏡像)

  • FibColl®で2日間培養した腎臓尿細管上皮細胞のタイトジャンクション形成(赤:ZO-1、青:核、蛍光顕微鏡像)

製品番号 製品 包装 価格
FAI-24 FibColl®高透過性アテロコラーゲンインサート24well用 無菌
FibColl® Atelocollagen Inserts 24
24個/袋 ¥45,000
(税込¥49,500)

保管方法:常温 本品は研究用試薬です。
代理店への仕切り価格は、家田化学薬品株式会社(03-3816-1871)へご確認ください。

使用事例

  • 使用事例1
  • 使用事例2
  • 使用事例3
  • FibColl®を用いた物質透過性およびバリア機能評価

    FibColl® の膜上に評価分子溶液を添加した後、膜下に移行した分子を定量したところ、600kDa を超えるタンパク質も透過することが確認された。次に、イヌ腎臓尿細管上皮細胞(MDCK 細胞)をFibColl® 上で14日間培養し、ZO-1 を免疫蛍光染色して観察したところ、タイトジャンクションの形成が確認された。また、経上皮電気抵抗(TEER)測定では電気抵抗が生じた( 社内データ)。

    FibColl上へ添加した分子の透過性評価培養14日目のMDCK細胞の免疫染色像(赤:ZO-1、青:核)とTEER測定結果

  • FibColl®を用いた表皮モデルの早期成熟化促進

    気液界面培養0、3、7、14日目の各表皮モデルのHE染色像(断面)

    FibColl®やポリエチレンテレフタレート製セルカルチャーインサート(PET)のメンブレン上に、正常ヒト表皮角化細胞1.8×105 cells を播種し、3日間の液内培養の後に14日間の気液界面培養へ移行した。その後、作製した各表皮モデルの凍結切片をHE 染色で観察した。その結果、FibColl® では早くも培養7日目に成熟した角質層が形成され、14日目には更なる角質層の積層が確認された( 社内データ)。

    気液界面培養7日目の各表皮モデルの免疫蛍光染色像(断面)

    各表皮マーカーの発現を免疫蛍光染色で観察したところ、FibColl® では基底層のマーカーであるCK14 の基底層付近での発現極大に加え、CK14 と有棘層マーカーのCK10 との染め分けがPET よりも明確であった。また、顆粒層のマーカーであるFLGの顆粒層付近の発現が顕著であった( 社内データ)。

    気液界面培養7日目の各表皮モデルの免疫蛍光染色像(断面)とTEER 測定結果

    FibColl® では、CLDN1 によるタイトジャンクションの形成やOCLN の明確な発現が確認できた。また、TEER 測定を行ったところ、PETに比べてFibColl®では有意に高いTEER値が認められた( 社内データ)。

  • FibColl®を用いた表皮モデルの乾癬様炎症モデルへの応用

    FibColl® で作製した気液界面培養7日目の表皮モデルへ、培地交換の後、サイトカインを24 時間毎に2 度添加し、乾癬様炎症の誘導を行った。その結果、乾癬で変動することが報告されている複数の遺伝子の発現が亢進または抑制され、FibColl® は乾癬用炎症モデルの作製に有用なことが示唆された。 尚、FibColl® は24well プレート用の大きさであるが、複数の遺伝子の発現量評価に十分な量のRNA が抽出できると確認された(社内データ)。

    乾癬様炎症誘導後の表皮モデルにおける各遺伝子発現量のqPCR評価

参考文献

  • 膜上培養
  • 共培養
  • 細胞シート移植