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メールニュース

神経前駆細胞の継続かつ効率的な産生機構解明にもコラーゲンゲル

2018年09月11日

今回のメールニュースでは、マウス胎児大脳壁の発生研究におけるイメージングに、「コラーゲン酸性溶液I-AC 3mg/mL(型番:IAC-30)」が使用された論文をご紹介いたします。

神経前駆細胞の継続かつ効率的な産生機構

【論文情報】
Elasticity-based boosting of neuroepithelial nucleokinesis via indirect energy transfer from mother to daughter.
Shinoda T, Nagasaka A, Inoue Y, Higuchi R, Minami Y, Kato K, Suzuki M, Kondo T, Kawaue T, Saito K, Ueno N, Fukazawa Y, Nagayama M, Miura T, Adachi T, Miyata T.
PLoS Biol. 2018 Apr 20;16(4):e2004426. PMID: 29677184

【概要】

哺乳類の大脳皮質のような大きな脳の形成には、神経前駆細胞(NPCs)による継続的かつ効率的な細胞産生が必須です。

これまでに、NPCsが発生中の大脳壁を拡張させながら伸展し、apical面で分裂をすることが示されています。

さらに、Interkinetic nuclear migration(IKNM)と呼ばれる、個々のNPCが細胞周期依存的に核と細胞体を移動させる現象も報告されています(G2期にはapical側、G1期にはbasal側に移動)。

しかし、G2期の核/細胞体のapical面への移動が、どのようにG1期初期の核/細胞体のbasal側への受動的な移動につながるのかは不明なままでした。

そこで、筆者らはin silicoおよびin vitro実験を行い、G2期からM期への移行の間に細胞体のbasal端付近へ、F-アクチンやリン酸化ミオシン軽鎖が集積することを発見しました。

次に、ミオシンII阻害剤であるブレビスタチンを、コラーゲンゲル内で培養したマウス胎児脳スライスに添加した場合には、正常とは異なりM期の核/細胞体がbasal側に移動することが観察されました。

また、同じくコラーゲンゲル内で培養したマウス胎児脳スライスに圧縮刺激を加えたところ、G1期の娘細胞の核/細胞体は対照群と比べて顕著に早くbasal側に移動することがわかりました。

以上のことから、アクトミオシンによるNPCsのbasal側収縮が、M期の細胞体によるapical付近スペース側面への拡張および変形を引き起こし、その復元力が娘細胞のbasal側への核/細胞体移動を助けることが示唆されました。

組織培養後のイメージングに適した透明度の高いコラーゲン

製品名:
・コラーゲン酸性溶液I-AC 3mg/mL(型番:IAC-30)

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