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★研究費削減の危機を回避★注目のNIH新方針にもMPS -FDAの動物実験の要求もフェーズアウト-
2025年08月25日
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★研究費削減の危機を回避★注目のNIH新方針にもMPS
-FDAの動物実験の要求もフェーズアウト-
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今年、ライフサイエンス研究を牽引する米国の研究環境を大きく変える発表が続きました。4月のFDAによる医薬品開発における動物実験の要求の段階的削減方針発表に続き、NIHも同月にhuman-basedの研究技術を優先させるとの声明を出し、さらに7月には動物実験に限定的な研究提案には研究費を提供しない方針を発表しています。
そこで、今回はhuman-basedの研究技術にも挙げられている、今注目の生体模倣システム(MPS)関連の論文をご紹介いたします。
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Mechanopathology of biofilm-like Mycobacterium tuberculosis cords.
Mishra R, et al. Cell. 2023 Nov 9;186(23):5135-5150.e28. PMID: 37865090.
MPSデバイスをコラーゲンとフィブロネクチンでコーティングし、肺上皮細胞や血管内皮細胞、マクロファージを播種した Lung-on-chipを作製。結核菌の病原性に関与するバイオフィルム様のコード形成や、抗生物質耐性への寄与を感染モデルで評価した。
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Dynamic persistence of UPEC intracellular bacterial communities in a human bladder-chip model of urinary tract infection.
Sharma K, et al. Elife. 2021 Jul 5;10:e66481. PMID: 34219648.
MPSデバイスをコラーゲンとフィブロネクチンでコーティングし、膀胱上皮細胞や 膀胱微小血管内皮細胞を播種した Bladder-on-chip を作製。尿路病原性大腸菌の感染に応じて好中球細胞外トラップが形成される過程や、抗生物質耐性に寄与する細胞内細菌コミュニティの形成を感染モデルで評価した。
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その他にもMPSを用いた感染モデルは、以下の論文等でも発表されています。
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Accessible homeostatic gastric organoids reveal secondary cell type-specific host-pathogen interactions in Helicobacter pylori infections.
Hofer M, et al. Nat Commun. 2025 Mar 20;16(1):2767. PMID: 40113752.
胃小窩を模したMPSデバイス中にコラーゲンとマトリゲルの混合ゲルを形成させ、ゲル上に胃オルガノイド由来細胞を播種したGastric organoids-on-chipを作製。 ピロリ菌が胃酸から身を守る微小環境の形成や、宿主病原体相互作用を感染モデルで評価した。
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Tri-culture model of intestinal epithelial cell, macrophage, and bacteria for the triggering of inflammatory bowel disease on a microfluidic device.
Tamura S, et al. Eur J Cell Biol. 2025 Jun;104(2):151495. PMID: 40409019.
MPSデバイスをコラーゲンコートし、腸管上皮細胞やマクロファージを播種したIntestine-on-chipを作製。大腸菌が上皮バリアを壊すと共に炎症性サイトカインを誘導することを感染モデルで評価した。
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Applicability of Artificial Vascularized Liver Tissue to Proteomic Analysis.
Mori N, Kida YS. Micromachines (Basel). 2021 Apr 11;12(4):418. PMID: 33920367.
MPSデバイスの中に肝がん細胞、血管内皮細胞、間葉系幹細胞を含むコラーゲンゲルを形成させ、血管を有する管腔状の肝臓様組織を作製。プロテオーム解析への利用が可能であるか、また薬物代謝に関わるタンパク質の発現量を平面培養と比較評価した。
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その他にも様々な組織のMPSが、以下のような論文等で発表されています。
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Homeostatic mini-intestines through scaffold-guided organoid morphogenesis.
Nikolaev M, et al. Nature. 2020 Sep;585(7826):574-578. PMID: 32939089.
MPSデバイスの中にコラーゲンとマトリゲルの混合ゲルを形成させ、レーザーで陰窩を模した微細なくぼみを作り、腸オルガノイド由来細胞を播種してミニ腸を作製。また、ミニ胆管やミニ気道も作製。
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Bioengineered Tubular Biliary Organoids.
Elci BS, et al. Adv Healthc Mater. 2024 Mar;13(8):e2302912. PMID: 38128045.
MPSデバイスの中にコラーゲンとマトリゲルの混合ゲルを形成させ、レーザーで流路を作製し、胆管オルガノイド由来の胆管細胞 を播種した管腔状の胆管オルガノイドを作製。 また、間質細胞や血管内皮細胞との共培養も評価された。
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9月は癌学会に出展予定です。各製品の実物をお手にとってご覧いただけますので、ぜひご来場ください。
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第84回日本癌学会学術総会
会 期:9月25日(木)~27日(土)
会 場:石川県立音楽堂他
ブース:未定
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