メールニュース
ヒト軟骨細胞の三次元培養にもアテロコラーゲンスポンジ
2018年04月24日
今回のメールニュースでは、ヒト軟骨細胞の三次元培養にアテロコラーゲンスポンジのハニカムディスク96(型番:CSH-96)が使用された論文をご紹介いたします。
ハニカムディスク96を用いたヒト軟骨細胞の三次元培養
【論文情報】
Mechanical properties and structure-function relationships of human chondrocyte-seeded cartilage constructs after in vitro culture.
Middendorf, J. M., Griffin, D. J., Shortkroff, S., Dugopolski, C., Kennedy, S., Siemiatkoski, J., Cohen, I. and Bonassar, L. J.
J Orthop Res. 2017 Oct;35(10):2298-2306 PMID: 28169453
【概要】
関節軟骨の修復のための自家軟骨細胞の移植は、多くの基礎研究や臨床試験による科学的な根拠に支えられた、広く知られている手法です。
しかし、移植後の軟骨組織の肥大化や剥離、縫合による周辺組織の傷害、不均一な細胞分布などの問題が続いています。
そのため、複数の自家軟骨細胞移植の改良法では、三次元スキャフォールドに軟骨細胞を播種し、グラフトを組織工学的に作製してから欠損部へ移植しています。
一方で、FDAガイダンスでは圧縮や摩擦、剪断に関する特性評価が示唆されているにも関わらず、多くの報告では硫酸化グルコサミノグリカン(sGAG)やコラーゲンの含量、圧縮特性のみを評価しています。
そこで、筆者らはヒト軟骨細胞をハニカムディスク96に播種し、7週間の三次元培養を行いました。
その結果、ハニカムディスク96の表面を中心に多量のプロテオグリカンやルブリシンの沈着が観察されています。
また、sGAG量を評価したところ、培養7週間目にはヒト軟骨組織中のsGAG量と近い値を示しました。
一方、摩擦特性はヒト軟骨組織に近かったものの、圧縮や剪断特性についてはヒト軟骨よりも低い値が認められたため、三次元培養時の力学刺激付加の必要性などについても言及されています。
蜂の巣状ポア構造を持つアテロコラーゲンスポンジ
製品名:
・ハニカムディスク96(型番:CSH-96)