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メールニュース

ES細胞やiPS細胞の三次元培養や移植にアテロコラーゲンスポンジ

2018年12月14日

今回のメールニュースでは、ES細胞やiPS細胞の三次元培養(3D培養)や移植にアテロコラーゲン製スポンジの「コラーゲンスポンジ マイティー(型番:CSM-25)」が使用された論文をご紹介いたします。

ES細胞・iPS細胞の3D培養による未分化維持や分化誘導促進

【論文情報】
Three-dimensional system enabling the maintenance and directed differentiation of pluripotent stem cells under defined conditions.
Zujur D, Kanke K, Lichtler AC, Hojo H, Chung UI, Ohba S.
Sci Adv. 2017 May 12;3(5):e1602875. PMID: 28508073

【概要】
三次元培養(3D培養)は、従来の平面培養と比べてより生理的条件に近く、細胞培養と生体組織のギャップをつなぐ有望な代替法になってきています。

平面培養と3D培養では、細胞間あるいは細胞と細胞外マトリックスとの相互作用が根本的に異なると認識されており、その違いが細胞の挙動を制御する分子パスウェイを変化させ、表現系や機能のような明確な生物学的事象として現れます。

ところで、筆者らは多能性幹細胞の骨芽細胞への分化のため、4つの低分子化合物を用いた無血清かつフィーダーフリーでの段階的な分化誘導プロトコルを報告済みです。

しかし、同手法は従来の平面培養で確立されたものであったため、適切な3D培養の条件を検討することにより、マウス多能性幹細胞の未分化状態維持およびその後の骨芽細胞の分化を促進させると筆者らは考えました。

筆者らはまず、培地中に2種類の低分子阻害剤およびLeukemia inhibitor factor(2iLIF)添加群と未添加群を用意し、マウスES細胞を平面培養した場合とコラーゲンスポンジ マイティーに播種して3D培養した場合とをそれぞれ比較しました。

その結果、2iLIF添加群では未分化マーカーのPou5f1やSox2の発現量はいずれの培養方法でも同程度でしたが、Nanogに関しては3D培養での発現量が高いことが認められました。

加えて、2iLIF未添加群では平面培養されたES細胞では未分化マーカーの発現量が減少したのに対し、3D培養されたES細胞では2iLIF添加群と同程度の発現量を維持可能であることがわかりました。

次いで、上述の骨分化誘導プロトコルをES細胞の3D培養と組み合わせたところ、培養19~26日目にかけて骨細胞のマーカーであるDmp1およびSostの高発現が認められました。

さらに、同分化誘導プロトコルと3D培養をマウスiPS細胞の骨分化誘導に応用したところ、ES細胞と類似の結果が得られることから、3D培養が多能性幹細胞の未分化維持や分化誘導に有用であることが示唆されました。

三次元培養に加え、力学刺激培養にも適した強度のあるスポンジ

製品名:
・コラーゲンスポンジ マイティー25個入り(型番:CSM-25)
・コラーゲンスポンジ マイティー50個入り(型番:CSM-50)
 

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