メールニュース
三次元培養には安価で汎用性が高く、安定した品質のコラーゲンを
2016年08月03日
今回のメールニュースでは、「コラーゲン酸性溶液I-PC 3mg/mL(型番:IPC-30)」を用いたがん血管新生に関する研究例をご紹介いたします。
ヒト中皮種細胞由来のVEGF非依存性新規血管新生因子
【論文情報】
Progranulin and granulin-like protein as novel VEGF-independent angiogenic factors derived from human mesothelioma cells.
Eguchi R, Nakano T, Wakabayashi I.
Oncogene. 2017 Feb 2;36(5):714-722. PMID: 27345409
【概要】
悪性中皮腫は胸膜や腹膜、心膜などの漿膜に由来する侵襲性の腫瘍であり、ほとんどの化学療法に抵抗性です。
一方、血管新生は腫瘍の進行に必須であり、中皮腫患者の肺においては血管新生の増加が予後不良と関連することがわかっています。
そのため、血管新生に重要な役割を果たす、血管内皮細胞成長因子の一つであるVEGF-Aに対するモノクローナル抗体が様々な腫瘍の治療に使用されていますが、進行期の切除不能中皮腫患者における無増悪生存期間の顕著な改善にはつながっていません。
そこで、新たな血管新生因子を同定するために以下の実験が行われました。
まず、中皮腫細胞株(NCI-H2052)を無血清培地中で培養して得られた培養上清を、コラーゲンゲルでサンドイッチ培養あるいはゲル内培養したヒト血管内皮細胞株(HUVEC)に添加したところ、濃度依存的な管腔構造形成や細胞生存の促進が認められました。
さらに、VEGF抗体やVEGFR2 siRNAを用いた同様の実験では、培養上清による管腔構造形成促進効果はVEGF非依存性であることが示され、臨床所見と一致しました。
また、培養上清中の血管新生に関わるタンパク質は、質量分析やgranulin siRNAを用いた実験により、progranulinおよびgranulin-like proteinであると同定されました。
安価で汎用性が高く、医療用コラーゲンを製造する高研ならではの安定した品質
これ1本で三次元培養、共培養、コラーゲンコーティングが可能
製品名:
・コラーゲン酸性溶液I-PC 3mg/mL(型番:IPC-30)
・コラーゲン酸性溶液I-PC 5mg/mL(型番:IPC-50)