AMEDも注目するメカノバイオロジー | 株式会社高研

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2017年11月13日

AMEDも注目するメカノバイオロジー

メカノバイオロジーの研究推進

2015年度より、「メカノバイオロジー機構の解明による革新的医療機器及び医療技術の創出」の研究開発領域が、AMEDの革新的先端研究開発支援事業として発足しています。本支援事業の推進により、生体が物理的刺激(メカニカルストレス)をどのように感知し、応答するのかについて知見を深めることで医療応用につなげ、また同時にそれらの現象を高精度に計測する基盤技術の発展にもつながると期待されています。

生体におけるメカニカルストレス

メカニカルストレスは日々の生活の中でも起きています。例えば、咀嚼運動や歯列矯正等による口腔内での刺激、呼吸による呼吸器での伸展刺激や気流によるずり応力などが挙げられます。また、循環器では血流によるずり応力や血圧および拍動による伸展刺激、運動器では日常の動作や運動による刺激があります。恐らく皆さんも一度は耳にしたことがある、宇宙空間に長期間滞在した宇宙飛行士の筋肉や骨が退縮する現象も、微小重力環境下でのメカニカルストレスの不足が一因とされています。

細胞レベルでのメカニカルストレスの評価

上述の様な現象を細胞レベルで理解しようと、シリコン製チャンバー上に細胞を播種して伸展刺激を加える培養装置も市販されており、伸展刺激により細胞骨格が変化することも示されています。その他にもコラーゲンゲルやコラーゲンスポンジの中で三次元培養された細胞に対して、繰り返し圧縮刺激を加える事例も報告されており、皮膚や関節等におけるメカニカルストレスの影響評価も進められています。

組織の硬さと培養基質の硬さ

一方、動的なメカニカルストレスを加える実験のみではなく、細胞培養時の基質の硬さにも注目が集まっています。一般的な細胞培養用のプラスチック器材やガラス器材は1GPaを超える硬さですが、脳の様な柔らかい組織は0.1-1.0kPa、筋肉は8-17kPa、骨の様に硬い組織でも25-40kPaであり、培養器材と実際の組織の硬さは大きく異なります。そのため、近年は硬さの異なるポリアクリルアミドゲルやコラーゲンゲルを用いた細胞培養に関する報告がされており、基質の硬さが幹細胞の分化の方向性やがん細胞の悪性化に影響を与えることも示唆されています。

細胞自体の硬さ変化

メカノバイオロジーのもう日一つの視点として、細胞自体の硬さ変化が挙げられます。がん細胞の硬さが正常細胞と大きく異なるという報告が相次いでおり、がん診断のマーカーとしても注目されています。しかし、従来一般的に使用されてきた原子間力顕微鏡(AFM)による解析は時間を要するものでした。最近、米国デューク大学のWax教授らのグループが、2種のレーザーとカメラを用いることで非接触かつハイスループットに硬さの評価を行える手法を発表しており、本研究の医療応用も期待されています。

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